2014年7月29日火曜日

ランジェリーの歴史と個性とライフスタイル

先日のフレンチランジェリー展ですっかりそのお人柄のファンになってしまったキュレーターのCATHERINE ORMEN 女史のご自宅とインタビューの記事。


“私なり”の官能とクラシックなパリスタイルの真髄

(画像はELLE ONLINEより)

序文引用:「シャネル」や「イヴ・サンローラン」といったモードブランド展覧会をキュレーションし、ファッション史、ランジェリー史に関する多くの著作もある、フランスの大物キュレーター、キャサリン・オーメン宅を訪問。素敵なクラシック部屋とともに、ランジェリーとスタイルとの密接な関係を聞き出した。

センスと知性を感じさせる成熟した彼女のライフスタイル。

なのに、ユーモアを感じさせるチャーミングな表情。

本当に人としてとても魅力的です。是非読んで欲しいと思っています!

ライフスタイルにもうっとり。。





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以下は暑苦しい私的な彼女や彼女の言葉に対する絶賛コメントと、
ランジェリーに対する思い(込み?)。

お付き合いいただける方だけ読んでいただければ。。




彼女のセンス、バランス感覚に感服。

ライフスタイル全般を通じて感じられる、

クラシックとモードの取り入れ方、クラシカル一辺倒ではでないエッジのきいたスタイリング。

NATURAL (自然/飾らない)とART(芸術・人工・技巧)のバランス。


文中、個性に関する箇所で

~画一的な美の基準のから、それぞれの人の“自分なり”の身体をリスペクトするという方向に変化している。~

にも共感。

私自身、(20年近く以前の話しですけど)、国内の大手メーカーさんでなかなか合う下着が無いと感じていた時、自分が規格外な感じがしてネガティブに捉えていた時期もありました。

でも、デザインもフィッティングもバリエーションの広いインポートの下着で合うものに出会ってフィットした時初めて自分のことを肯定できた気がした衝撃を何度も思い出します。

その衝撃をくれたのがフレンチランジェリーだったわけなのですが、
多分そういう根底に流れる個性の捉え方が多様なランジェリーを生み出しているのだと納得。


そう、、、

だからいろんなタイプのランジェリーを紹介したいと思って自分もブランドをスタートしました。

今はいろんな制約があって実現できていないけれど、もっといろんなタイプを作りたいと思っています。自分がもどかしい。。


女性の社会的意識のと共に変化してきた下着。


日本でも自分も含め、新しいデザイナーランジェリーブランドが出てきていています。
大手のメーカーさん達の商品も進化しています。

様々なタイプのランジェリーを知ることで、自分の女性性(フェミニティ)と向き合い、コマーシャルに流されることなく自分の審美眼でランジェリーをチョイスする女性が増えたら、

また相手の個性の深いところまで見つめて魅力を引き出すようなランジェリーを送るパートナーが増えたらいいなと思っています。

なんの後ろ盾もなく、そして無名のHAVIENAを応援してくださっている皆さまはもう、その審美眼をお持ちだと確信しています。背筋伸ばして頑張ります!

アンケートでも、もっといろんなタイプのランジェリーをというお声も頂いています。
(よかったら是非お声を聞かせて下さい)

水面下で進めています。
秋ころにはご紹介できればと思っています。

お楽しみに!



2014年7月25日金曜日

フレンチ・ランジェリー展



お友達のランジェリーデザイナーさんにお誘いいただき、
フレンチランジェリー展のパーティ-へ。


私がランジェリーにハマるきっかけを作ってくれたのが実はフレンチランジェリー。

だから今もブランドの一部HAVIENA の "VIE" や、

ブランドコンセプト ”La porte du jardin secret ~秘密の花園への扉”

シーズンのカラー名、例えば ”Nuit de ete ~夏の夜~”

などフランス語を用いています。




当日は沢山のインポートランジェリー関係者さん達が集まり、貴重なフランスのランジェリーのアーカイブを見ながら楽しくお話出来ました。

比較的小さなギャラリーでの展示だったためか、賑わいながら人との距離が近い感じで

このランジェリー展のキュレーター、CATHERINE ORMENさんとも直接お話し出来て感激。

(初めお会いした時に彼女がその方と知らないままで「素敵なメガネ!」とか声かけてた。。)


とても気さくで素敵な方♡


会場にある20世紀前半のコルセットについてるパーツについて質問したり、
展示について逆に聞かれたり、日本のランジェリーマーケットについてお話したり出来ました。



ランジェリー関係者ばかりだったので会話の内容がぐんぐん深いところまで入っていって楽しい!


展示も、19世紀後半から現代まで幅広いラインナップを
間近に見ることが出来、とても興味深かったです。

最後にはお土産も足りなくなるほどの盛況で、代わりに日本未発売の図録に
オーメン女史自らメッセージ付けて下さいました。



通訳さんが内容を教えてくれて感激✩

とても嬉しい!


フレンチランジェリー展の記事はこちらのライターさん、ジャーナリストさん達のページに
いろいろ載ってます。

川原さんの LINGERIE JOURNAL キュレーターにインタビュー前編 
                     キュレーターにインタビュー後編


武田さんの INNNER通信 「表参道でフレンチランジェリー展」


無料だしお気軽に足を運んでみてください。

ナオちゃんありがとう!

2014年7月2日水曜日

ランジェリーの工場さん

ブランドスタート以来お世話になっている工場さんへ。


東北新幹線に乗り・・・


在来線に乗り換え・・・ 緑豊かな駅で下車。

先代の工場長の奥様が迎えに来て下さりそこから車で20分ほどで到着。

風通しの良い小さな建物で女性を中心に稼働している工場さんです。



アトリエにも直線、ジグザク、ロックミシンはありますが、
ここには私も見たことのないタイプの機械が当然ながら沢山。


こちらは裁断の機械。

もう一つの裁断機で大まかにカットした後に、こちらでカットします。

HAVIENAのランジェリーは17センチ幅程度のレースを
端のレース山までデザインに取り入れています。

なので裁断の際にずれるとデザインが崩れてしまいます。

大きな一枚布や、柄の向きを気にしないで良い生地に比べ、
一度に裁断できる量が少なく、手間がかかります。


今回は定番の追加生産をして頂いているところです。

こちらはパッドのポケットにもなるライナーを位置がずれないように仮縫いしているところ。

柔らかく滑りがよいメッシュ生地は滑りやすい分重ねて縫う際にずれやすかったりするので
製品を表から見ただけでは分からないところにも作業工程が存在します。


こちらはデコルテに近いバスト上部につけるナイロンテープを縫う工程。

ナイロンテープはシリコンではなく、柔らかい少しだけ伸びるテープです。

この細いテープを少しテンションをかけながら(伸ばしながら)縫うことにより、
バスト上部の丸みに添う形になります。

このテンションの掛け方は手加減。左右同じ寸法に仕上がるように慎重に掛けていただきます。

途中ねじれや、引っ掛かりがあるとテンションのかかり方がずれてしまうため、
元々のミシンの構造にオリジナルの細工を加えてあります。

ミシンのメンテナンスも必須です。
糸の毛羽立ちにつく目に見えないほどのホコリも量産の間に蓄積されると
針目の不調につながります。

機械にもご機嫌があるようで、日によってご機嫌斜めだと不調が出やすかったり。


左カップの後、右側を縫い、その2つを合わせて同じ寸法かを確認しながら縫っています。


こちらはストラップを縫い止める際。横一文字の閂止(カンヌキドメ)をするミシン。

専用のミシンでないとキレイな閂止出来ないのでそれ専用です。


こちらはロックミシン。
うちのルージュ用の糸がかかっています。



こちらのミシンではタンガを縫製中。
ブラのところで使っていたナイロンテープ同様、手加減でテンションをかけながら
ピコゴムに千鳥ステッチをかけていきます。

特に足ぐりは右と左が同じテンションで縫われていないと履き心地がよくないし、
かつ、レースの柄を活かしたデザインなので柄が歪んでしまいます。

レースの柄や透け感を活かしているのでその履き心地の柔らかさは
定評いただいていますが

透け感があるということはそれだけ生地に隙間や穴があるため
縫いにくくもあります。


こちらはブラカップのサイドにゴムをあしらっているところ。

白いレースに黒のゴムでトリミング。


HAVIENAのランジェリーはレースとストラップやゴム、リボンの配色も特徴の一つ。

でもこの配色も実は工場さん泣かせ。。


従来の下着はベージュの生地なら糸もゴムもストラップもフックも全部ベージュだったりします。
一度ミシンにベージュの糸を掛けたら全部ベージュで糸を変える必要はありません。

でもうちのは大量生産ではない上にレース色とゴム側の色と異なるので
上糸と下糸の色が違います。

工場さんで使われるミシンは糸をかけ替えるのも普通のミシンより手間がかかり、
その間、作業を中断するため効率の面からするとよくない。


また、工場さんが購入される糸は大きな巻の糸でそれがミシン後方に見えるような
1箱6本セットなのでHAVIENAみたいに大量生産でもなく、
糸の配色が多いのは糸の在庫もかさみ、効率悪いのです。



ただ・・・

効率も大切だけど、それ以外に価値を見いた出してくれる方もいてくださいます。

ランジェリーしか身につけていなくてもHAVIENAのランジェリーは
カラーコーディネートが楽しめます。
ブラとボトム違う色のレースでもゴムやリボンの配色でコーディネート出来たり。

自分か、特別な人しか知らないとしても、
ランジェリーをファッションとしても楽しんで欲しいと思っているから。

店頭でキュンキュン言ってくださる方のお言葉で多いのはやはり、
レースの素材感と、身につけた時のフィット感、そしてこの配色なんです。

実用品を安く買うなら違うブランドさんからもたくさん出ています。

ランジェリーを楽しみたい!という方に
こういった配色やつけ心地を楽しんでいただけるのが
HAVIENAならではなんだと思っています。

工場の方も沢山ご苦労おかけしているにもかかわらず
その点を理解して下さることにほんとうに感謝です。



こちらはレギュラーショーツの後見頃を縫っているところ。

平面のレースを丸みのある身体に添うように作るインナーの工場さんには
アパレルの工場さんとはまた違う技術やこだわりが沢山詰まっています。

簡単な縫製なら海外でもでき、実際にそうされているけれど、

日本の工場さんに来る仕事というのは海外で出来ない細かいとか、
複雑な工程がほとんどだそうです。

目の肥えたお客さまからのご意見を伝えながらも
私が工場の方と同じように縫うのは至難の業です。

国内の工場で働かれる一人ひとりの勤勉な努力と技術とプライドに
ブランドは支えて頂いています。

人件費の安い海外で大量に作って大量に販売するやり方はやろうと思わないし、出来ませんが、
こういった日本の技術、そしてそれを支える人たちと共にモノづくりを
続けていけるよう、努力していきたいと思っています。

そういう思いをHAVIENA を支えてくださる方々とも共有したくて書き留めてみました。


この日は日差しの強い夏日。
帰りの車窓からは入道雲が見えました。


実は熱中症ぽくなってしまい、工場さん、道中アテンドいただいたお取引先様には
申し訳ありませんでした。

いろいろおもてなししていただいたのにフラフラで。

本来のテンションでもっとお話聞けたら良かったのですが、
それでもとても充実した時間をありがとうございました。


余談ですが、工場の方の手がなんとも職人さんらしい手でとても素敵でした。

(私の手も職人系の手なんですけど)