2014年7月2日水曜日

ランジェリーの工場さん

ブランドスタート以来お世話になっている工場さんへ。


東北新幹線に乗り・・・


在来線に乗り換え・・・ 緑豊かな駅で下車。

先代の工場長の奥様が迎えに来て下さりそこから車で20分ほどで到着。

風通しの良い小さな建物で女性を中心に稼働している工場さんです。



アトリエにも直線、ジグザク、ロックミシンはありますが、
ここには私も見たことのないタイプの機械が当然ながら沢山。


こちらは裁断の機械。

もう一つの裁断機で大まかにカットした後に、こちらでカットします。

HAVIENAのランジェリーは17センチ幅程度のレースを
端のレース山までデザインに取り入れています。

なので裁断の際にずれるとデザインが崩れてしまいます。

大きな一枚布や、柄の向きを気にしないで良い生地に比べ、
一度に裁断できる量が少なく、手間がかかります。


今回は定番の追加生産をして頂いているところです。

こちらはパッドのポケットにもなるライナーを位置がずれないように仮縫いしているところ。

柔らかく滑りがよいメッシュ生地は滑りやすい分重ねて縫う際にずれやすかったりするので
製品を表から見ただけでは分からないところにも作業工程が存在します。


こちらはデコルテに近いバスト上部につけるナイロンテープを縫う工程。

ナイロンテープはシリコンではなく、柔らかい少しだけ伸びるテープです。

この細いテープを少しテンションをかけながら(伸ばしながら)縫うことにより、
バスト上部の丸みに添う形になります。

このテンションの掛け方は手加減。左右同じ寸法に仕上がるように慎重に掛けていただきます。

途中ねじれや、引っ掛かりがあるとテンションのかかり方がずれてしまうため、
元々のミシンの構造にオリジナルの細工を加えてあります。

ミシンのメンテナンスも必須です。
糸の毛羽立ちにつく目に見えないほどのホコリも量産の間に蓄積されると
針目の不調につながります。

機械にもご機嫌があるようで、日によってご機嫌斜めだと不調が出やすかったり。


左カップの後、右側を縫い、その2つを合わせて同じ寸法かを確認しながら縫っています。


こちらはストラップを縫い止める際。横一文字の閂止(カンヌキドメ)をするミシン。

専用のミシンでないとキレイな閂止出来ないのでそれ専用です。


こちらはロックミシン。
うちのルージュ用の糸がかかっています。



こちらのミシンではタンガを縫製中。
ブラのところで使っていたナイロンテープ同様、手加減でテンションをかけながら
ピコゴムに千鳥ステッチをかけていきます。

特に足ぐりは右と左が同じテンションで縫われていないと履き心地がよくないし、
かつ、レースの柄を活かしたデザインなので柄が歪んでしまいます。

レースの柄や透け感を活かしているのでその履き心地の柔らかさは
定評いただいていますが

透け感があるということはそれだけ生地に隙間や穴があるため
縫いにくくもあります。


こちらはブラカップのサイドにゴムをあしらっているところ。

白いレースに黒のゴムでトリミング。


HAVIENAのランジェリーはレースとストラップやゴム、リボンの配色も特徴の一つ。

でもこの配色も実は工場さん泣かせ。。


従来の下着はベージュの生地なら糸もゴムもストラップもフックも全部ベージュだったりします。
一度ミシンにベージュの糸を掛けたら全部ベージュで糸を変える必要はありません。

でもうちのは大量生産ではない上にレース色とゴム側の色と異なるので
上糸と下糸の色が違います。

工場さんで使われるミシンは糸をかけ替えるのも普通のミシンより手間がかかり、
その間、作業を中断するため効率の面からするとよくない。


また、工場さんが購入される糸は大きな巻の糸でそれがミシン後方に見えるような
1箱6本セットなのでHAVIENAみたいに大量生産でもなく、
糸の配色が多いのは糸の在庫もかさみ、効率悪いのです。



ただ・・・

効率も大切だけど、それ以外に価値を見いた出してくれる方もいてくださいます。

ランジェリーしか身につけていなくてもHAVIENAのランジェリーは
カラーコーディネートが楽しめます。
ブラとボトム違う色のレースでもゴムやリボンの配色でコーディネート出来たり。

自分か、特別な人しか知らないとしても、
ランジェリーをファッションとしても楽しんで欲しいと思っているから。

店頭でキュンキュン言ってくださる方のお言葉で多いのはやはり、
レースの素材感と、身につけた時のフィット感、そしてこの配色なんです。

実用品を安く買うなら違うブランドさんからもたくさん出ています。

ランジェリーを楽しみたい!という方に
こういった配色やつけ心地を楽しんでいただけるのが
HAVIENAならではなんだと思っています。

工場の方も沢山ご苦労おかけしているにもかかわらず
その点を理解して下さることにほんとうに感謝です。



こちらはレギュラーショーツの後見頃を縫っているところ。

平面のレースを丸みのある身体に添うように作るインナーの工場さんには
アパレルの工場さんとはまた違う技術やこだわりが沢山詰まっています。

簡単な縫製なら海外でもでき、実際にそうされているけれど、

日本の工場さんに来る仕事というのは海外で出来ない細かいとか、
複雑な工程がほとんどだそうです。

目の肥えたお客さまからのご意見を伝えながらも
私が工場の方と同じように縫うのは至難の業です。

国内の工場で働かれる一人ひとりの勤勉な努力と技術とプライドに
ブランドは支えて頂いています。

人件費の安い海外で大量に作って大量に販売するやり方はやろうと思わないし、出来ませんが、
こういった日本の技術、そしてそれを支える人たちと共にモノづくりを
続けていけるよう、努力していきたいと思っています。

そういう思いをHAVIENA を支えてくださる方々とも共有したくて書き留めてみました。


この日は日差しの強い夏日。
帰りの車窓からは入道雲が見えました。


実は熱中症ぽくなってしまい、工場さん、道中アテンドいただいたお取引先様には
申し訳ありませんでした。

いろいろおもてなししていただいたのにフラフラで。

本来のテンションでもっとお話聞けたら良かったのですが、
それでもとても充実した時間をありがとうございました。


余談ですが、工場の方の手がなんとも職人さんらしい手でとても素敵でした。

(私の手も職人系の手なんですけど)

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